創友設計監理事務所では愛知県瀬戸市を中心に新築注文住宅をご提案いたしております

10月22日から24日まで熊本に行ってきました。

大変遅ればせですが、地震で被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。

現地に立ち、被害の状況を目の当たりにすると、

「どれだけ怖かっただろうか、不安だっただろうか」

と本当に心が痛みました。１日も早く日常が取り戻せますようにと心から祈るばかりです。

この3日間は被害が甚大であった益城町を中心に、市内各所も回りました。

今回の調査は構造塾の佐藤先生が企画してくださいました。築浅なのに倒壊してしまった建物の解体に立ち会い、原因や問題点を探るのが目的です。

しばらく、熊本各所を見て考えたことを書いていきたいと思います。

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この建物は、平成１８年１２月に竣工しており、築１０年弱　木造２階建て　在来工法で建てられていました。

延べ面積　136㎡　建築面積　89㎡　

当然ですが、確認済，完了検査済の建物です。

にもかかわらず、1階がつぶれてしまいました。幸いにも中（1階で就寝中でした）におられた方は助けられて一命をとりとめましたが、完全に2階が乗ってしまっていた場所なので、正に九死に一生を得たということでしょう。　（↓この写真の1階部分です）

この家の倒壊原因については　「これ！」　と言う原因があった訳ではなく、色々な要素が重なってこのような結果になってしまったのだと推測します。解体現場では金物や柱の状態を見ることが出来ましたが、柱や梁に腐食やシロアリの痕跡などはありませんでしたし、柱や梁はすべて集成材だったので、ある意味無垢材よりも材料としては耐力にムラがなく、安定していたはずです。金物は当然大きく変形していましたが、取り付けられていた釘やボルトの数などは適正であったと思います。（1階部分は完全に潰れていましたが、残存している2階部分の金物は、ボルトや釘の数は適正でした）

耐力壁の位置や数，金物については出かける前に設計図書を入手し確認した上で、現地で取り付け状況などを確認しました。図面上は建築基準法に準拠していました。耐震等級で言うと、「等級1」はあったということです。

また、瑕疵保険のため中間検査があるので筋交いや金物が図面通りに取り付けられていたことは間違いないと思います。（熊本県はこの規模の建物については確認申請の中間検査は実施されていません。）　

では、どんな部分の問題が重なってしまったのか・・・。

私見ですが、考えられる項目を検討したいと思います。