創友設計監理事務所では愛知県瀬戸市を中心に新築注文住宅をご提案いたしております

講習会に参加しました。

2か月に一度の楽しみになっている「構造塾」です♪

今回は、「既存住宅の耐震診断と補強設計」と「上部構造の重量算出」の講座でした。

前半の「既存住宅の耐震診断と補強設計」は、「耐震」に対する法律的な対応の流れの説明と、現在行われている耐震診断の内容の話でした。

私は業務として耐震診断と耐震設計を行っていますので、日常業務のおさらいだったのですが、今回の講座で耐震診断ソフトの数値の意味が分かりました。

私が使用している（愛知県の耐震診断で指定されている）耐震診断のプログラムソフトは一般診断法を行うソフトで　日本建築防災協会が発行している「Wee2012」というものです。

このようなソフトは基本的に数値を入力したり仕様を選択したりすれば自動計算で進んでいきます。具体的な数値の意味が分からなくても、「耐震診断」や「耐震設計」を行うことが可能です。しかし、数値の意味が分かると、効率的な耐震設計を行うことが出来ます。

つまり建物のどの部分を補強すれば地震に強くできるのか、コストや施工の条件を考えながら設計することが出来るようになるということです。

佐藤先生がおっしゃるには、「耐震診断のソフトはかなり良く考えられている」とのことで、今回私も先生の説明を聞いて「なるほど！そうだよね！」と思うことが多々ありました。新築では簡単に出来てしっかり耐力が出せることも既存の建物となると簡単にはいかないことが多くあります。その辺りをしっかり数値として「低減」して計算しているのです。

地元瀬戸市では、無料の耐震診断が出来ます。昭和56年5月31日以前に着工した2階建て以下の木造住宅が対象となっています。

法律の変遷でみると、昭和56年6月に耐震設計法の大幅改正があり、俗に言う「新耐震」の基準になりました。なので、それ以前の建物の耐震性能を上げるために耐震診断と耐震補強を行うということなんですね。耐震補強については補助金が出ます。(自治体により金額が違います）

国としては、昭和昭和56年6月以降の建物は地震が来ても大丈夫だよと言っているわけですが、熊本地震での建物の倒壊状況を見ますと、新耐震の建物でも80％ほどが倒壊〜一部倒壊の被害があり、決して安全とは言えないという状況が分かってきています。

昭和56年6月着工の建物というと、竣工は56年末〜57年初めです。35年〜36年経過している建物と言うことですね。まだまだ現役の建物も多く、リフォームして住み続けるとか、中古の住宅を購入するとか、色々なケースが考えられます。

是非是非リフォームを考える時に合わせて耐震補強してください。残念ながら補助金は出ないかもしれませんが、命を守るためです！

後半の講座は、「上部構造の重量算出」でした。これは、構造計算をするときの一番基本になる建物の重さを出すという作業ですね。

今回は上部構造つまり建物の各部分の重量をどの範囲でどのように考えるのかという説明と簡単な演習でした。頭の中で「屋根の範囲がここからここまで」「外壁は・・・」「床は・・・」と整理しながら積み上げていく作業です。ここで間違えると構造計算の結果が・・・なので、とても基本的でかつ大切なところです。

佐藤先生のお話しで面白かったのは、積雪の荷重（地元ではほぼ関係ありませんが）の話で、積雪がある地域では、1mの積雪の荷重を１平方メートルあたり210kgで計算します。なかなか数字では重さが分かりにくいのですが、体重210kgのおすもうさん（ちなみに横綱の白鵬関は160kgだそうです）が1平方メートルに1人づつ座っていると考えてくださいと言われて、力士が屋根の上にずらっと座っている絵を想像して笑ってしまいました。雪って重いんだなぁ・・・。雪が1m積もっているのを見ても、そんなに重い感じはしないですよね・・・。

先生の講座はいつもこのように難しくなりそうなところや分かりにくい，実感しにくいところを分かりやすいたとえにしてくれるので、本当に楽しいです。

建築構造というちょっと難しそうなもののハードルを下げて分かりやすくしてくださってます。

講座はこれから具体的な構造計算の方法などに入っていくようで、益々楽しみです。