これから家づくりをはじめる方に知っていただきたい豆知識や、日々のブログを随時発信していきます。
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今月の講習会
異常なほど暑い7月ですね・・・(;^ω^) 若くはないこの身にはキビシイ毎日です。
今月は、講習会に2つ参加しました。
その1
2か月に1度のお楽しみである「構造塾」です。
構造塾も3年目にに入り、どんどん実施設計に入ってきました。演習を含めた内容で、ますます面白い!
今回は、基礎の設計です。布基礎,ベタ基礎の両方の設計の考え方や、鉄筋の必要量の算定などなど。実務に使える内容でした。以前の演習で行った、スウェーデンサウンディング調査(地盤調査)の結果から地盤の長期許容支持力を読み取り、それによって基礎を選び、基礎の設計をします。
なるほど!なるほど!!でスイスイ進みますが、実務で使う時は又テキストと首っ引きで計算することになります。繰り返しやらないとなかなか身に付きません。人間は経験したことしか身に付かないのだ!
ますます面白くなってきている構造塾は今後もとても楽しみです(^^♪
その2
日本住環境株式会社さんが主催したセミナーで
「最強の家造り術」セミナー
です!なんて大げさな・・・と思ったのですが、内容が面白そうなので案内をいただいて、即申し込みました(^.^)
今回のセミナーは「耐久住宅」「耐震住宅」ということで、4社のメーカーさんの合同のセミナーでした。とにかく、「家を腐らせない」「地震があっても命が守れるそして住み続けられる」ためにどうすれば良いのか?というお話でした。
4部構成でしたが、どの話も事故事例をたくさん見ながらの説明でとても分かりやすかったです。
第1部は、「日本ボレイド株式会社」さん ホウ酸を使った防腐防蟻処理を行っているメーカーです。一般的には合成殺虫剤処理が多いのですが、こちらの会社はホウ酸(基本的に無機物です)を使っています。ホウ酸は、ほ乳類にはほぼ無害な物質ですが、防虫効果がとても高いのです!
ホウ酸ダンゴをゴキブリの駆除のために使っている方も多いと思います。あのホウ酸ですね。触っても人には無害なんです。あの生命力の強いゴキブリも駆除できるのにねぇ・・・。ちなみに子供が大好きな「スライム」は、ホウ酸と洗濯のりで作ります。ホウ酸の毒性は、食塩と同じくらいということなので、本当に人にはほぼ無害ですね。
坪単価1万円で、構造体すべてにホウ酸の防腐防蟻処理が出来るということなので、是非採用したいなぁと思いました。しかも効果は半永久的!揮発しない無機物なので、定着するとずっとそのまま効果が持続するそうです。結構ですねぇ!メンテナンス費用がかかりません(^^♪ その上、人間にもペットにも害がありません!
第2部は日本住環境株式会社さんの通気の話。外壁通気工法はもう一般的になっていますが、「しっかり施工しないと意味がないです!」ということを事例を交えての説明でした。
そうそう。結局は施工なのよね・・・。私は防水紙の施工が物凄く大切だと思っているのですが、案外雑に扱われてる感じなんですよね。防水紙がしっかり施工されていれば、少々外壁のシールが切れても雨漏りしないんですけどね。(もちろん切れたシールはメンテナンスが必要です)
現在は換気部材が豊富で、様々な部位で施工が簡単で確実に換気出来るようになりました。通気がしっかりしていないと、結露を起こしたり雨漏りした場所がなかなか乾かずに、構造体が腐食したりします。地味なパーツが家を守るのです!
第3部は住宅保証機構株式会社さん。 こちらは、住宅瑕疵保険の会社です。新築住宅はほとんどの住宅に瑕疵保険の加入が義務付けられています。(住宅の規模や施工業者さんによっては免除されることがあります)
住宅瑕疵保険で取り扱った保険事故の9割超が外壁と屋根からの雨漏りだそうです。なので、「雨仕舞いの基本」を保険事故の事例を見ながらの解説でした。
愛知県では木造2階建て以上の住宅は中間検査が義務付けられています。大抵瑕疵保険の検査はその時に一緒に行うことが多いのですが、屋根材が葺き上がって、耐力壁と金物の工事が終了してすぐのタイミングよりも、防水紙を貼りはじめてからの検査の物件の方が、事故率が低いそうです。検査員が防水紙の施工についても気になる部分を指摘したりするからでしょうね。このことでもいかに防水紙の施工が大切なのかが分かります。
設計監理の大切さが分かるお話でした。
第4部はエイム株式会社さんです。 こちらは私にとってはお馴染みでして、耐震補強のための部材である「かべつよし」や、制振ダンパーの「TRCダンパー」の取り扱いの講習会にも参加しています。
私は耐震診断や耐震補強の仕事もやっていますが、基本的に「新耐震」以前の建物(昭和56年以前の建物)が対象になっています。しかし、エイムさんの施工実績(15000棟ほど)を見ると、新耐震の建物でも「倒壊しない」レベルの建物はほとんど無く、平成12年の現行基準(つまり、金物が施工される)よりも前の建物は基本的に「安全とは言えない」状況であるということでした。
現在自治体からの補助金が出るのが昭和56年以前の建物なのですが、早く範囲を広げてほしいと思います。新しい建物の方が、耐震補強の費用は少なくてすむはずです。「家」に殺されてしまうという悲しい事をおこさないためにも、皆さん、リフォームを考えるときには、是非、耐震診断もしてみてください。表面だけがきれいになっても、倒れてしまっては意味がないです。地震は必ず来ますから。
ということで、今月の講習会も勉強になりました。日々精進です!
2018/07/28